顎関節症とは
顎関節症とは、あごに関する病気で口を開こうとすると耳の穴の下の部分にある顎の関節が痛むことです。
場合によっては、顎を動かしている筋肉が痛むようなこともあり得ます。人間は、飲食の時、そして話をする時も無意識のうちに顎を使っています。
もし、顎関節症になってしまった場合には口を十分に開けることができないことがあるわけです。これは、会話や食事などが困難になることを意味していますので、日常生活に支障をきたす可能性のある病気の一つと言えるでしょう。
日本人にこの病気は多く、生涯で二人に一人が経験する病気とされています。ただ、多くの人は軽度の状態で済みます。そのため、中には気がついていないけどもこの病気になっている人もいるでしょう。
この病気になってしまった場合、中度から重度になると口を開くことができないため手術をすることも考えなければいけません。
原因は、様々なものが考えられますが一つはストレスになります。例えば、会社で働いている場合ストレスがたまることが多くなりますが、気がつくと顎の周辺が痛いこともあり得るわけです。
一時的に痛みが伴う場合は別ですが、長期的に痛みが伴う場合は顎関節症の可能性が考えられますので、すぐに病院に行き治療をしてもらった方がよいでしょう。
また、ストレス以外には、10歳ぐらいまでに顎を十分に発達させていなかったことも原因として考えられます。年配者よりも若い人の間で発症しやすい病気の一つと言えます。
顎関節症による直接的な症状(顎が痛い・口が開かない)
顎関節症になると、いったいどのような症状が出てくるのでしょうか。まず一つ目は、日常的に顎が痛いことが考えられます。口を閉じていると痛みはほとんどないのに、会話をするときや食事をするときなど口を少しでも開くと痛みが伴うことがあります。
痛みを感じる部分は、耳の下側の骨と骨が接している部分です。また、筋肉が痛む場合もあごの骨と骨が接している部分から痛みが伴うことが多いです。
もう一つは、口が開かない症状が考えられます。少しぐらいならば口を開けることができますが、痛みが伴いほとんど開けられないようなことも考えられるでしょう。
少しの痛みしかなくて顎を動かすことができれば、まだ軽度の顎関節症と言えます。ところが、重度の状態になってしまうとほとんど口をあけることができなくなってしまうでしょう。
これは、口をあけると痛みが伴うため防衛反応として脳が口を開けないように指示しているからです。口を大きく開けることで痛みが伴う場合、無理をして口を大きく開こうとする人もいます。
ですが、この場合には逆効果になっている可能性があるでしょう。そもそも顎関節症で痛みが伴う場合は顎の軟骨がすり減っている可能性が高いからです。必要以上に動かすと、より軟骨が擦り減って状態が悪くなってしまいます。
顎関節症が原因で発症する症状(頭痛・難聴・呼吸困難)
顎関節症は、意識してもなかなか口を開くことができない、あるいは痛みが伴うといった症状が考えられますが、そのまま放置しておくと身体のほかの部分にも間接的な症状が出ることも考えられます。
この病気が原因で発症する症状の一つが寝ている間の呼吸困難でしょう。なぜ呼吸困難になりえるかといえば、顎関節症の場合は痛みで口を開くことが困難になることがあるからです。
人間は、鼻呼吸と口呼吸の2つがメインになっていますが、口を開くことができないため鼻呼吸に依存するしかありません。この場合、寝ているときに鼻がつまっている状態だと呼吸が上手にできなくなってしまうことも考えられます。
次に、難聴が考えられるでしょう。顎と耳は、非常に近い位置にあります。顎に違和感を感じる時や痛みを感じる時には、耳の神経も圧迫している可能性が出てきます。そうすると、難聴になりやすくなるわけです。
それ以外でも、関節の痛みを我慢しているといつの間にかそれが頭痛につながる可能性があります。
自分でできる顎関節症の治し方(マッサージ・姿勢)
もし日常的に顎の痛みが伴っており、顎関節症の疑いがある場合には病院に行くのが一番ですが、自分で治すことができなくもありません。これは、まだ軽度の場合に限られます。治し方の一つは、毎日マッサージをすることです。
耳たぶの下あたりに顎の関節がありますので、その部分を毎日マッサージをして神経をほぐしてあげることが重要になります。
もう一つは、姿勢を正すとです。特に猫背になっている場合には、あごに負担がかかっている可能性が高くなり顎関節症の原因の一つになるといえるでしょう。
そうだとすれば、歩くときと椅子に坐る時は背筋を伸ばすことを意識する必要があります。これを習慣にすれば、次第に状態が良くなってくることがあり得ます。
病院で行う顎関節症の治療方法(マウスピース・手術)
もし、顎関節症になってしまった場合には病院に行き診断してもらうことが必要になります。無理をして治そうと思っても、自分で治すことができず余計にひどくなってしまう恐れもあるからです。
特に、痛みで口が開かないレベルに達すると自分で治すことはかなり困難になります。
病院に行き治療をすることになった場合、どのような治療方法が考えられるかといえば、そのうちの一つはマウスピースを着用することです。中でも、眠っている間は無意識にあごを動かし歯ぎしりなどをしている可能性があります。
歯ぎしりは顎に負担がかかるため、顎関節症の場合には避けなければなりません。日常から顎が痛くて生活が困難になる場合は、顎の手術をする方法もあります。