一般的な基礎代謝の計算方法「ハリス・ベネディクト方程式」とは
ハリス・ベネディクト方程式は、基礎代謝の計算方法としてとても基本的なものです。
基礎エネルギーの消費量を算出する為に考案された方程式で、男性なら66.47、女性であれば655.1に体重や身長を掛け、年齢を引いてBEEを導き出します。
BEEこそが基礎エネルギー消費量で、つまり人によってことなる基礎代謝が数字で表せるわけです。
1日当たりの消費カロリーとも言い換えられますから、最低どれだけのカロリーを必要とするかが分かります。具体的には男性だと体重に13.75を掛け、身長には5.0、年齢には6.76を掛けていきます。
女性であればそれぞれ、9.56・1.85・4.68を掛けて総計していくことになります。病気を患っている人の場合は、BEEに更なる計算を加えてTEEを求めることが可能です。
TEEは患者の全エネルギー消費量のことで寝たきりなら掛ける1、歩行が可能であれば掛ける1.2、労働者は不可に合わせて1.4~1.8を掛けます。ストレスファクターもTEEの算出に欠かせないもので、術後3日間において胆嚢・総胆管切除、乳房切除のような軽度なら1.2を除算します。
「ハリス・ベネディクト方程式」の欠点
ハリス・ベネディクト方程式は、計算式が煩雑でややこしく、覚えるべき内容が少なくないことが欠点に挙げられます。
しかも、結果は過大評価される傾向にあるので、正確性にやや懸念が生じるのもネックです。簡易的に用いるならともかくとして、本格的な基礎代謝の把握には物足りないといえるでしょう。
更に、欧米人をモデルに作られた方程式ですから、日本人の実態とは掛け離れてしまうのが難点です。計算の手間は簡易式で解決しますが、正確性についてはハリス・ベネディクト方程式の欠点なので、こればかりはどうしようもないです。
方程式である程度の基礎代謝が分かる、そういう意味では悪くありませんし、定期的に算出して相対的な変化を認識するのには役立ちます。
簡単に計算できるアプリも登場していますから、手動で数字を書き出す手間は省けます。
今でも少なからず用いられているのは事実なので、決して全く無意味ではありませんし、使いようによっては活用できるはずです。
より正確な基礎代謝の計算方法「キャッチ・マカードル方程式」とは(体脂肪率・筋肉量)
キャッチ・マカードル方程式は、体脂肪率や筋肉量を考慮した比較的新しい基礎代謝の計算方法です。
ハリス・ベネディクト方程式では、特に筋肉を考慮に入れられていないので、筋肉質な人だと数値の誤差が大きく出てしまいます。逆に体脂肪が多めの人も、結果の精度が落ちてしまう問題がありました。
その点、キャッチ・マカードル方程式は脂肪も筋肉も含めて計算するので、誤差は小さく抑えられます。式は370に21.6を足して、除脂肪体重を掛けることで基礎代謝が算出されます。
除脂肪体重とは体重から、体重掛ける体脂肪率を引いた数字のことで、これがこの方程式の重要なポイントです。まだ算出方法は煩雑な印象ですが、それでもハリス・ベネディクト方程式に比べればだいぶ易しくなっています。
正確な数字を把握してこそ、減量や健康維持に食事の管理が実現しますから、自分の身体について客観的に把握するように心掛けましょう。
アプリやこの方程式を採用している体重計もあるので、手間を掛けなくても把握することができます。
タニタの体重計(体組成計)で基礎代謝がわかる仕組み
タニタが提供している体組成計の体重計は、生体電気インピーダンス法が基本的な仕組みとなっています。生体電気インピーダンス法は、身体に微弱な電流を流すことで、電気抵抗を測って体組成を推定できるのが特徴です。
脂肪は殆ど電気が流れない一方で、筋肉などは流れやすいことから、その性質を利用している形です。
電気の通りやすさは断面積で決まり、断面積が大きい人ほど電気が流れやすく、筋肉が多いとの推定に至ります。精度は気になるところですが、タニタは身長と年齢や性別など、膨大に集められた情報を元に正確性を高める追求をしています。
加えて、マルチ周波数測定やリアクタンステクノロジー、DXA法といった技術を採用したり組み合わせることで、基礎代謝を算出する精度が高まりました。簡単に早く、それも従来より高精度と、タニタの体組成計は進化しているといえます。これまで、基礎代謝の計算は面倒でしたが、今では体重計に乗るだけで身体の状態が数値化できます。